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2025年12月23日 10時25分 JST
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Source: Fujitsu Ltd
東北大学と富士通、「NanoTerasu」の測定データに因果発見AIを適用し、超伝導発現メカニズム解明に繋がる因果関係を自動抽出
地球環境問題を解決する新規機能性材料の研究開発を加速

東京, 2025年12月23日 - (JCN Newswire) - 国立大学法人東北大学(注1)(以下、東北大学)と富士通株式会社(注2)(以下、富士通)は、「3GeV高輝度放射光施設NanoTerasu(以下、ナノテラス)(注3)」の測定データに因果関係を自動抽出するAI技術を適用し、物性発現メカニズムの全容解明が期待されるカゴメ格子超伝導材料(注4)において、超伝導発現メカニズムの解明に繋がる新しい知見の導出に成功しました。本成果は2025年12月22日付けで科学誌Scientific Reportsに掲載されました。

両者は、富士通のAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」のコア技術である因果発見技術をベースに、信頼性が高い因果関係を網羅的かつ簡潔に推定できる発見知能技術(以下、本技術)を新たに開発しました。さらに本技術を、東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)との協働のもと、カゴメ格子超伝導材料を試料として、物性研究で用いられる実験手法である角度分解光電子分光法(ARPES)(注5)により計測したデータに適用したところ、カゴメ格子超伝導物質の超伝導発現メカニズムの解明につながる新たな知見を発見しました。環境・エネルギー、創薬・医療や電子デバイスなど様々な業界の材料研究においても、本技術を適用することで研究開発を加速し、革新的な材料の発見によるイノベーション加速が期待できます。

富士通は、2026年3月に、本技術のトライアル環境の提供を開始します。今後、両者は、「ナノテラス」の世界最高レベルの高い空間分解能(注6)と本技術をさらに活用し、物質の微小領域で起こっている現象の因果関係を計測データから自動で明らかにしていくことで、新物質の物性発現メカニズムの全容解明、および高温超伝導や次世代低消費電力デバイスなど、富士通のマテリアリティの必要不可欠な貢献分野の1つである地球環境問題を解決する新しい機能性材料の研究開発に貢献していきます。また、本技術を様々な分野の計測・実験データに適用を拡大し、科学研究プロセス自動化の推進に役立てていきます。

図1: ARPES測定からの因果発見

背景

東北大学と富士通は、新技術の開発と人材の育成を通して社会課題の解決に資することを目的とし、富士通スモールリサーチラボ(注7)の一環として、互いの持つ技術や実績、知見を融合する「富士通×東北大学 発見知能共創研究所」を2022年10月に設置し、材料科学をはじめとする様々な分野の課題解決策をデータからAIによって発見する「発見知能」の開発および社会実装を推進する共同研究に取り組んでいます。

材料科学分野では、2024年4月に運用を開始した「ナノテラス」を活用することで、ナノメートルレベルの高い空間分解能で分子や原子、電子の状態を計測可能になり、これまでにない新機能材料の開発による、地球環境問題などの社会課題を解決するイノベーションが期待されています。一方で、計測性能の向上に伴い、取得されるデータ量は増加の一途を辿っており、膨大なデータから人の経験や勘に頼らず、いかに有益な情報のみを漏れなく効率的に抽出するか、すなわち、科学研究プロセスの自動化の推進が今後の大きな鍵になります。

開発した技術と成果

今回、上記の課題を解決するため、「ナノテラス」において計測したARPESのデータに対して、「Fujitsu Kozuchi」のコア技術である因果発見技術をベースに、因果関係をグラフ構造で表した因果グラフを自動構築し、その中から信頼性が高い因果関係を網羅的かつ簡潔に抽出、提示する発見知能技術を開発しました。開発した技術の特長は以下の通りです。

1. 波形パラメータ抽出に基づく因果グラフ規模の大幅圧縮

ARPESの計測データは光電子の強さやエネルギーなどの情報を含む膨大なデータであり、因果発見技術を適用し因果グラフを構築するとノード数が膨大な因果グラフとなり、その中から有益な情報を見つけ出すことは容易ではありません。本技術では、計測データに対してモデル式に基づくフィッティングを行い、抽出したパラメータのみのデータに対して因果グラフを構築することで、因果グラフの規模を大幅に圧縮しました。

2. 因果グラフの類似度計算に基づく因果グラフ簡約化技術

因果グラフの理解をさらに容易にするため、情報として重複したノードをできるだけ削除する技術を開発しました。高相関なデータ項目のペアに対し、それぞれの項目を削除した場合の因果グラフを構築するとともにその類似度を計算し、類似度が高い場合には重複と見なして因果グラフのノード数の削減を行います。

3. 推定した因果関係を信頼性、因果関係の強さ、相関係数で絞り込み、測定ノイズの影響を削減

因果発見で網羅的に推定した因果関係において、信頼性、因果関係の強さ、相関係数のいずれも一定以上のものに絞り込んで提示することで、測定ノイズの影響を削減します。これにより、物理的に意味がある可能性が高い因果関係の抽出が可能となります。

本技術により、因果グラフの大きさが20分の1以下にまで削減され、効率的な新しい知見の発見が可能となりました。

東北大学と富士通は、本技術を、新材料として注目されているカゴメ格子超伝導物質であるセシウムバナジウムアンチモニド(CsV3Sb5)のARPES測定データに適用しました。セシウムバナジウムアンチモニドは、高温超伝導物質として期待されている材料ですが、超伝導機構が解明されておらず、バナジウム電子のみが関与しているという説やバナジウム電子とアンチモン電子が協力して超伝導を実現しているという説が主流でした。このたび、セシウムバナジウムアンチモニドの測定データから物性発現メカニズムの新知見となる因果関係を自動抽出することに成功し、セシウムバナジウムアンチモニドにおいては、超伝導を担っている V3Sb5 層の電子状態にセシウム(Cs)原子の化学結合状態が強い影響力を持っていることが分かりました。超伝導の発現メカニズムは、バナジウム電子とアンチモン電子およびセシウム電子の協働によるものであると考えられます。

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