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2015年7月10日 13時45分 JST
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Source: Fujitsu Ltd
九大と富士通研究所、スパコンを活用し復旧作業のスケジュールを高速に立案する技術を開発
ビッグデータ数理解析基盤技術を応用し、社会課題を解決

東京, 2015年7月10日 - (JCN Newswire) - 国立大学法人九州大学(注1)(以下、九州大学)マス・フォア・インダストリ研究所(注2)と株式会社富士通研究所(注3)(以下、富士通研究所)は、災害時のライフラインや交通網などの復旧対策において、スーパーコンピュータ(以下、スパコン)を活用し、最適な復旧作業のスケジュールを高速に立案する技術を開発しました。

九大と富士通研究所、スパコンを活用し復旧作業のスケジュールを高速に立案する技術を開発

大規模災害には、二次災害や道路の寸断など突発的に様々な事態が発生するなど、短時間で状況が大きく変化します。このような状況下ではライフラインなどの復旧作業スケジュールを早急に策定し迅速な対応を遂行することが求められますが、復旧計画策定において、刻々と変化する災害状況を反映した最適な計画立案を膨大なデータを用いてリアルタイムで計算することは困難でした。

今回、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所と富士通研究所は、現実の複雑な条件も考慮した上で大規模な復旧計画を効率的に立案するスパコンで実行可能な数理最適化技術を開発し、リアルタイムな復旧作業スケジューリングを実現しました。

これにより、被害の拡大状況や復旧の作業進捗など、状況の変化に応じた最新の復旧計画を提示することが可能となり、災害対策の最適化に貢献することが期待できます。

本技術の詳細は、7月12日より米国ピッツバーグで開催の「International Symposium on Mathematical Programming (ISMP2015)」、および、同日よりドイツ・フランクフルトで開催の「International Supercomputing Conference(ISC15)」にて九州大学からそれぞれ発表します。

背景

大規模災害時には、二次災害や道路の寸断など突発的に様々な事態が発生するなど、短時間で状況が大きく変化するため避難、誘導、復興計画などを早急に策定し迅速な対応を遂行することが求められます。この実現には、災害状況のデータや地理情報データなど膨大なデータを用いて最適な計画立案をリアルタイムで計算できることが必要となります。

課題

災害時のライフラインなどの復旧では、作業の順番の制約・作業途中の共同作業など作業員間の相互依存や、個人の労働時間・スキルなどを考慮する必要があり、複雑な条件下で最適な作業スケジュールを効率的に求めることは容易ではありません。このため災害の甚大化にともなう復旧作業の規模の拡大や広域化への対応が求められる中、大規模な復旧作業スケジュールの最適化計算はこれまで行われていませんでした。

研究概要と開発技術

九州大学マス・フォア・インダストリ研究所の数学理論先進ソフトウェア開発室 富士通ソーシャル数理共同研究部門と富士通研究所は、共同で、災害時の復旧活動の人員配置とスケジューリングを現実の複雑な制約の下で高速に計算が可能となる数理最適化アルゴリズムを開発し、スパコンでのリアルタイム計算を実現しました。

今回、作業スケジュールの膨大な組合せの中から、作業の優先順序、合流作業、担当地区優先、労働時間規約など多くの複雑な制約条件を考慮した上で、効率よく最適な作業スケジュールを立案可能な局所探索アルゴリズムを開発しました。

開発したアルゴリズムは、九州大学情報基盤研究開発センター(注4)の高性能演算サーバシステムには、富士通のPCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY CX400」を使用し、高効率な並列計算を実行することで、リアルタイムにスケジュールを算出しています。

本研究では、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 CREST「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤」で開発中のソフトウェア「共有メモリ型マルチプロセッサコンピュータシステムための高性能な並列化技術」を活用して、性能検証を行っています。

また、局所探索アルゴリズムの研究開発では、独立行政法人 日本学術振興会(JSPS)の科学研究費補助金「科研費26730010」の一部助成を受けています。

効果

復旧箇所:506、 作業班:64の場合に適用したところ、制約条件を満たす適切な復旧作業スケジュールの計算を3分という実用可能な時間内で完了させることができました。これにより、大規模災害時に被害の拡大状況や復旧の作業進捗に応じた最新の計画を迅速に提示することができます。

また、今回開発したアルゴリズムと計算環境は、流通・物流における配送スケジューリングやそれに向けた作業スケジューリングや人員配置への適用も可能です。配送時の混雑などの状況変化に応じたきめ細かな配送計画の立案も期待できます。

今後の展開

九州大学マス・フォア・インダストリ研究所と富士通研究所は、実運用時に課題となる、災害状況や作業状況のデータをリアルタイムに収集できるデータ活用基盤の検討を進めながら、自治体などの防災業務に本技術を適用すべく、2017年度以降の実用化を目指します。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2015/07/10.html

注釈
注1 国立大学法人 九州大学: 所在地 福岡市西区元岡744番地、総長 久保千春。
注2 マス・フォア・インダストリ研究所: 所在地 福岡市西区元岡744番地、所長 福本康秀。アジアで初めての産業技術に関わる数学研究の拠点で、産業のための数学理論研究を行う研究部門に加え、理論のソフトウェアとしての実装・公開を行う「数学理論先進ソフトウェア開発室」を設置。2014年9月に、社会課題の解決のための数理技術の研究開発を強化すべく「富士通ソーシャル数理共同研究部門」を設置し、データ利活用数理技術と社会科学研究を融合した研究活動も推進。
注3 株式会社富士通研究所: 本社所在地 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐相秀幸。
注4 国立大学法人 九州大学 情報基盤研究開発センター: 所在地 福岡市東区箱崎6-10-1、センター長 谷口倫一郎。

概要:富士通株式会社

詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。

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